どこまでが責任かなぁ。
心臓手術時の肺動脈カテーテル使用に関連した心臓損傷事故について|2018年(一覧)|プレスリリース|京都大学医学部附属病院
ノーベル賞受賞の次はこんなニュースか〜。
なかなか振り幅大きいなって感じながら
ちょっと思ったことを。
心臓手術のときに肺動脈カテーテル(PAC)が縫い込まれるってのは、
個人として実際経験したことがあるかどうかは別として、
まあまあ話題になるインシデントなので
麻酔科医は術中に縫込みが発生しないか注意するように
教育されているものだと思っていた。
添付文書にも赤字で書いてあるし(2009年の時点だからなーー )
https://www.edwards.com/jp/uploads/pdf/ifus/ewl140363_0.pdf
10年以上前の症例報告だってすぐみつかる。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsicm1994/12/4/12_4_413/_pdf/-char/ja
教育されるってのは、具体的には、
"人工心肺中には心臓から脱血して心臓が小さくなって、それに伴ってPACも深くなりがちだし、右房を閉鎖するときにPACの縫込みが起こったりするから、人工心肺を離脱して落ち着いたら、経食道心エコーでPACの先端を描出しながら、PACが動くことを確認しなさい"
てな感じだった気がする。
心臓外科医の先生にも"動かしてみて"ってたいてい言われるしね。
縫込みが発生するのは、メインの心臓内操作が終わって右房閉じるところで、
心臓外科医にとってみれば、ちょっと気が緩みやすいタイミングなのかも
って思うので、きっと縫込み自体はなくならないんだろうと思う。
- "PACが動かしにくい"ってのに気付かなかったなら、麻酔科ちょっと残念な感じ。
- "PACが動かしにくいです"ってのを執刀医に伝えたのに、執刀医が何も対応しないって選択をしたのであれば、執刀医が悪いんだろうけど、心臓外科と麻酔科のコミュニケーション、信頼関係の問題としてやっぱり微妙。
- 術中にそのようなエピソードがあったことが抜去する人間に伝わっていなかったのならそれもコミュニケーションの問題としてやっぱり微妙。
ってな感じで麻酔科の責任はどれくらいと評価されるんだろうってのを
ふわっと考えました。
環境とか状況とか全然知らないから前提条件間違ってるかもしれないけどね。
にしても、添付文書に警告されてることが起こってるのに、
京大のプレスリリースは堂々としているなー。